繁盛店づくりのプロフェッショナル

Special Column

Special Column スペシャルコラム

 

フード業界のプロフェッショナルがズバリ分析!

 

これからの時代に求められるお店とは?

 

なぜ繁盛する店は継続し続けるのか? どうして毎年多くの店が閉店廃業してしまうのか?

ここでは、変動の激しい飲食業界を見続けてきたプロフェッショナルの方に疑問をぶつけ、

対応策、成功法をお答えいただきました。開業を予定されている方は必見です。

 

お答え頂いた方 小田原 正幸さん

大手不動産会社より飲食店経営を経て、旧OGMコンサルティングに入社。

小規模レストラン開業から大型高級旅館・ホテルのコンサルティングまで幅広く携わり実績を上げる。

その後、OGMコンサルティングを継承したフードコンサルティング株式会社にて、時流に適したコンセプト提案・業績改善・販売促進で結果を出す。現在、コンサルタントとして活躍中。

資料提供/フードコンサルティング株式会社 メニュー開発、人材研修、販促企画を手掛ける会社  http://www.facebook.com/foodconsulting

 

Q&A

 

こ数年で外食利用の消費者はどう変貌していますか?

 

 

Q&A幅広い消費行動の把握することが大切

シニア世代(60歳以上)の年間消費支出が、2011年に初めて100兆円を突破しました。今や個人消費全体の44%に達しており、外食や旅行・スポーツなど各分野で新たな市場を生んでいます。今後の営業活動において、シニア層をいかに経営戦略的に取り込むかが大きな課題。シニア層の取り込みは、親子3世代孫を含めた消費も考えるなど、幅広い消費行動を把握すべきです。個人消費44%に達したシニア層にどのように働きかけるかが、営業戦略においても大切になってきています。本国内の外食マーケットに及ぼす要因としては、次の5点を考慮すべきです。

 

 

外食利用の現状

1. 少子高齢化により、日本の人口は2006年に減少に転じ、減り続けている。

2. 2,000年以降「実収入」が減り続け、サラリーマンの平均小遣い額も減り続けている。

3. 非正規労働者の増加、若者のアルコール離れで、居酒屋業態の苦戦が続いている。

4. 節約の中ストレスが溜まり、発散の「プチ贅沢」需要が顕在化してきている。

5. 「中食」市場拡大に伴って、ドライブスルーやテイクアウト販売に対応した店が増えている。

 

 

Q&A

 

現在、お客様に支持されているお店の特徴とその対策法は?

 

 

Q&A新規客と再来店客の獲得で競合他店より抜き出る取り組みを

安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復への期待感から、ファミリーレストランの和風・洋風・中華・焼肉と全業態が客足を伸ばしています。若者のアルコール離れなどの影響で、居酒屋や焼鳥屋の客足は伸びていません。また、デフレ経済下で好調だったハンバーガーや牛丼チェーン店のファストフード店も失速している。マクロ的に見れば、日本の外食市場は少子高齢化によって総体的に胃袋のキャパシティは縮小傾向にあり、市場拡大は望みにくい状況にあります。

今後、ますます顧客獲得競争が熾烈を極めるようになり、そんななかで業績を上げるには、新規客と再来店客の獲得で競合他店より抜きに出ることが必要です。ここ数年の不況などの影響から節約志向が定着してきました。外食費の支出にも影響を与え、客単価や客数の減少が目立つようになっています。そこで、自店の好感度を上げることで利用機会を広げ、利用頻度を高める取り組みが欠かせません。下記に支持されているお店の特徴を挙げてみました。

 

 

繁盛店の特徴

1.  自店商品の上位10品を磨き上げている

常に競合店と自店との商品力の差を比較し、売れ筋商品上位10品には特に注意し、常にレベルアップを図っている。

2.  接客上のミスゼロを日々重ねるよう取り組んでいる

日々、表に出ない不手際や不満が再来店にブレーキをかけている。接客上のミスや不満を解消し、お客様の状況をよく観察し先手を打つことが、顧客満足度を高めている。改善事項は記録し、全員で情報共有しているお店が多い。

3.  顧客から「個」客へ対応を劇的に変えている

マニュアルサービスから“心のサービス”、ホスピタリティが求められている。どの顧客にも同じものを提供するサービスから、「個」のお客様の気持ちに、それぞれ応えるおもてなしに変え始めている。

①まずお客様の顔と名前を覚え、次に忘れないようノートなどに特徴を記録しよう。

②「いらっしゃいませ」を、「〇〇さん、いらっしゃいませ」のように、親近感ある挨拶を一言つけ加える。

③「先日はありがとうございました」など、常連客であることを認識してもらえる会話に変えていく。

④お客様の好みの席や料理・飲み物などを書きとめ、次回来店時にはきめ細やかな対応を心掛けよう。

⑤会話のなかで家族構成など把握し、会話のなかに子供などの話しも盛り込めるようにする。

4.  新客に、まず3回利用してもらう工夫をしている

初めてのお客様はご縁があるとらえ、そのご縁を強める工夫をしている。早い時期に2回目、3回目の利用をして頂くと、飛躍的に利用頻度が高まり固定客化が進む。従がって、次回の利用につながるよう効果的な販促をしている。

5. 季節のおすすめやフェアメニューに力を入れている

足が遠のきがちなお客様に思い出してもらうよう、季節の食材をテーマにおすすめ料理や季節のフェアを定期的に開催している。

また、利用頻度の高いお客様に飽きられず楽しみが増すよう、日替わりメニューに力を入れているお店が人気だ。

6. アンケート用紙を有効に活用している

お客様の客観的な評価を得るため、特典付きで“アンケート回収月間”等を、年4回ほど実施している。より多いアンケート回収で評価を把握し、改善点や要望を知るきっかけにもなる。また、顧客名簿の獲得にもつなげている。

7. まず自店スタッフをファンにする努力を優先している

顧客満足向上には、直接多くのお客様に接客するパート・アルバイトの協力が欠かせません。お客様の小さな要望やクレームなど汲み上げ、改善する仕組みを持っている。効果的に実行するには、お客様よりも先に、従業員の自店好感度を高めることが大切。そのことが自店への誇りと自信になり、お客様に伝えることにもつながっていく。

8. サンキューレターでアフターフォローを実施している

予約頂いたお客様や宴会利用の方々に必ずサンキューレターを出している。自店を利用頂いたお客様は、次回も利用頂ける見込み客であることから、アフターフォローを素早く適切に実施したい。一言コメントなど加えたDMなどを送り、よい印象を与えることで次の利用につなげている。

9. ホームページや Facebook など更新し、鮮度を上げている

自店のホームページを絶えず更新することで、新しい情報提供することで検索数を高めたい。日替わりメニュー内容、季節のフェアやイベント企画などの発信もこまめに行っている。

10. 口コミにより評価を上げている

自店ならではの商品になるよう料理・飲み物、サービス、雰囲気などを磨きあげている。また、多くの話題が提供できるよう、食材のこだわり・産地及び調理法・料理の演出や提供方法・食事法など工夫もしている。他店にない独自性を打ち出すことで、取り上げてもらえるような話題を提供し“口コミ”を喚起するよう工夫したい。

 

 

 

Q&A

 

昨今の開業で失敗している傾向は?

 

 

Q&Aコンセプトに一貫性がない店は成功しない

飲食店開業は参入障壁が低い反面、利益を確保できずに廃業閉店するケースも非常に多いのが現状です。失敗してしまう多いケースは、飲食店経営ノウハウや知識、情報が不足したまま開業してしまう場合に多い。飲食店の経営は厳しく、腕のよい超一流の料理人でも、飲食店での店長経験があったとしても、飲食店の経営ノウハウがなければ失敗してしまいます。お店のコンセプトをしっかりと固めておらず、料理・店舗・サービスを場当たり的に決めて出店するケースに失敗が多い。飲食店開業の最初の作業は、「コンセプトを決めること」といっても過言ではありません。そのメインコンセプトに肉づけしていくためにサブコンセプトとして、顧客層・ターゲットコンセプト、メニュー・商品コンセプト、客単価・価格コンセプト、店舗・イメージコンセプト、接客・サービスコンセプトに分類して考えなければなりません。

開業を決意したら、次は「コンセプトを決める」作業になりますが、下記の20項目を明確にしないままに進める人も多い。お店の性格がお客様に見える形で伝わらないと、お客様の支持が得られず、資金繰りに行き詰まって失敗することになります。そうならないためには、これから開業するお店づくりの土台・基礎となるメインコンセプトをしっかりと決めることが大切です。コンセプトに一貫性がないと満足度も低くなり、離反者が多くなることからリピーターの確保が難しく、売上達成も難しくなります。営業途中でコンセプトを軌道修正すると、バランスをとるのが非常に難しいため、開業前にしっかりと考え抜いて進めることが必要です。

また、投資計画や売上計画など収支シミュレーションがなかったり、あっても希望的な計画で、現実を踏まえ熟慮されたものでない場合に多い。いずれにしても、情報量と質に問題を抱えた出店計画に失敗が多いのも事実です。下記の点をよく考えず、開業する場合とくに失敗が多いといえます。

 

 

コンセプト設定20ヶ条

1.客層 ー 年齢層、職業、男女などの中心ターゲットを決める

2.利用動機 日ー 常的、非日常的など、どのような利用動機に応えるのか?

3.商品群 ー 中心となる料理をどんなものにするか?

4.お値打ち感 ー 提供する商品などにお値打ち感があるか?

5.価格帯 ー フードおよびドリンクの中心価格帯をどのくらいに設定するか?

6.客単価 ー 昼および夜の客単価はいくらに設定するか?

7.客数 ー どの時間帯にどの程度集客するのか?

8.テーマ性 ー お店にどのようなテーマ性を持たせるのか?

9.店舗イメージ ー 店舗外観、看板デザインをどうする か?

10.内装イメージ ー 店舗レイアウト・内装イメージをどうするか?

11.キッチン機能 ー キッチンレイアウトおよび機能性をどうするか?

12.ホール機能性 ー テーブル数、席数、動線の計画をどうするか?

13.食器イメージ ー どの料理にどのような食器を使い、どのくらいの予算か?

14.メニューアイテム数 ー 商品群とそれぞれの数量をどうするか?

15.営業時間 ー ランチタイム、ディナータイムの営 業時間は?

16.提供時間 ー 各商品の提供時間は何分ぐらいにするのか?

17.滞在時間 ー 平均の滞在時間はどの程度を想定するのか?

18.サービス ー サービスの特徴をどうするか?

19.ユニフォーム ー ホールおよびびキッチンのユニフォームはどうするか?

20.BGM ー BGMは流すのか? どんな曲にする のか?

 

 

Q&A

 

繁盛し、継続できる店づくりに大切な要素とは?

 

 

Q&Aお客様の視点と運営者の視点のバランスが大事

成熟した外食市場環境においてはますます多様化が進み、お客様のニーズやウォンツも多岐に渡り、顧客満足に留まらず、「喜び」や「感動」を与え続けられるお店こそが、繁盛店となり得る厳しい時代を迎えています。変化する市場環境に合わせながら、自ら変えていくたゆまない努力が常に求められます。繁盛店づくりには、時代を読み取り、開業しようとする業種・業態を慎重に決めることが大切です。業種・業態を決めたら、次のメインコンセプトとサブコンセプトに分けてひとつずつ整理して考えなければなりません。お店のコンセプトがしっかりと固まっていないのに、料理・店舗・サービスを考えてもよい結果が得られません。繁盛店にはしっかりとしたコンセプトがあり、「どのような主力商品を、どんな雰囲気で提供するか」という非数値的な見方と、「客単価何円で提供時間が何分程度で……」といった、数値的な見方でとらえなければなりません。よって、コンセプトの設定にあたっては、お客様の視点と運営者の視点のバランスが必要となります。計画店舗は、どんなイメージを目指すべきか?  下記の20項目を確認してみましょう。

 

 

開業に向けてチェックしたい必須項目

◆お客様側の視点

□アクセスしやすい店か、またその手段は?

□どのような機会に利用するのか?

□どの時間帯に利用するのが望ましいお店か?

□どのくらいの客単価で利用できるお店か?

□メインとなる商品は何か?

□他のお店と差別化されている商品は何?

□ホスピタリティあふれるお店と評価されるか?

□店舗のテーマ性は感じられるか?

□商品・サービス・店舗の優先順位をどうとらえるか?

□友人に口コミでお店を伝えるとしたら?

◆お店側の視点

□どのような立地環境にあるお店か?

□どのような顧客層を狙えばよいか?

□目標とする客数、客単価は何人でいくらに設定するか?

□平均滞在時間、席回転数は何回転か?

□商品アイテム数と価格帯をどうするか?

□昼・夜のキッチンの人員配置と人件費は?

□昼・夜のホールの人員配置と人件費は?

□厨房設備と作業動線は効率的になっているか?

□原価率・人件費・初期条件比率の割合は?

□競合店舗と比較して優れている点は?

 

 

〜これから開業を予定している方へ〜

 起業には、雇われて経験してきたこととは、全く別のスキルが必要です。起業には、ある程度の大胆さは必要ですが、大胆であることと無謀であることは違います。綿密な戦略を持たずして開業した挙句、売上が伸び悩み仕方なく廃業の道をたどり、残ったのは不名誉と借金だけとならないようにしなければなりません。まず、開業場所を決めるのは、不動産屋や周りの人ではなく、本人だということを忘れてはなりません。その結果に対しても誰も責任をとってくれないのです。では、ひとりで出店計画書づくりから、物件選び、コンセプト設定、商品開発、販売促進、従業員教育訓練など開業計画を進めることは間違いなく難しい。仮にできても負担が大きく、短期間で行うのは困難です。では、どうしたら良いのでしょう。

 

そこで、開業にあたっては、「なぜ開業したいのか?」「開業する目的は何か?」を確認すべきです。意外に目的地が定まっていないこと、また流れ的にただなんとなく、そろそろ独立する機会と思ったからなど安易なケースも多い。独立開業するとは、①経営者 ②店長 ③従業員として3つの責任の他に代表者として社会的責務が生じてきます。そして、全ての権限を得るのと同時に全ての責任を背負う覚悟も必要です。ですから、「大成功を目指すよりも、失敗のリスクを減らす開業をする」ことのほうが重要なのです。

 

 

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