繁盛店づくりのプロフェッショナル

entry4 ナチュラ代表 河合倫伸

オフィスの1Fにある「新丸子店」でスタッフのみなさんと。店内は、オープン前の仕込みから笑顔と熱気にあふれている。

ナチュラ代表 河合倫伸

 

 

イタリアン酒場をブレイクさせた

 

河合倫伸による成功へのプロセス

 

 

神奈川県川崎市の武蔵小杉と新丸子の駅前に、17時の開店から25時の閉店まで連日行列が絶えない店がある。イタリアン酒場「ナチュラ」だ。P.8で紹介している「武蔵小杉店」と「新丸子店」の2店舗を経営し、2014年新たな店舗のオープンの準備をしているのが株式会社 ナチュラ代表の河合倫伸氏。独自の経営学で活気ある店を展開し続けるその手腕とは? 個人経営から会社設立、店舗展開までのプロセスと、経験から自身の経営学について語ってもらった。

 

開店資金はたった150万円 お弁当の屋台からのスタートだった

4人兄弟の末っ子で育ち、たまたま海外に居た兄二人の影響で渡欧。各地でいろいろな飲食店に触れ、帰国後27歳のときに「スペインのタパスとイタリア料理を融合させた店をつくろう」と仲間3人で地元の向河原で9坪の店からスタートしました。そのときの開業資金は150万円。物件取得と内装で使い果たし、駅から10〜15分の立地なのに看板をつくる予算も宣伝費もない。じゃあどうやったらお客さんを呼べるか? と考え、駅前にあった大手メーカ会社の前でランチタイムをねらって屋台でお弁当を販売、予約で100個がすぐに完売するようになり、その後毎日200〜300個の売り上げをキープ。そこからお店のほうにお客さんを引っぱってこれたんです。これまで7年間店をやってきましたが、お客さんが途絶えた日は1日もありません。

 

自分の引き出しを増やしていってタイミングで新たなことにトライする

7年前は川崎市内に「イタリアンバル」スタイルのお店はほとんどなかったと思います。この川崎市で地元の人に馴染みのない業態の店を出すことが僕にとっては重要で、「こんな楽しい店があるんですよ」と伝えたかったんです。だけど、ワインの価値を知らない人たちに1本1万円のワインを出すイタリアンは罪悪感があった。だから「3,800円でお腹いっぱい食べられて、飲めて、楽しめる店をつくろう」と立ち上げたのが新丸子店です。僕自身、繁盛店の視察はほとんど行かないんです。それは、先入観が入ってマネになってしまうから。その分、居酒屋とか違う業態のお店に行き、そこからアイデアをもらうことはあります。常に自分の引き出しを増やして、タイミングでそのアイデアをかたちにしていく。たくさん失敗もしましたけど、それがすべて糧となっています。

 

男性客をターゲットにしたイタリアン酒場女性客からクレームが出る店であること

イタリアンは女性をターゲットにしている店が一般的。だから、男性をターゲットにした店にしたいと、新丸子の駅前で男性100名に「イタリアンのイメージは?」というアンケートを取ったんです。すると、「高い」「ワインが分からない」「小綺麗すぎて入りにくい」「スパークリングなんて飲まない」など。じゃあ、それと真逆のお店をつくろうというのがコンセプトの発端。男性が好むのは赤提灯の店。そこを徹底的に勉強し、うるさい、立ち飲み、狭い相席、2時間制限など、あえて女性にとってはクレームの対象となる店づくりにしたんです。うちで定番となった氷入りのジョッキのスパークリングワインなど、女性には抵抗があるようなオリジナルのメニューを開発していきました。結果、男女比6対4や、7対3の月も。もし5対5になったら、サービスが高すぎるんじゃないか? メニューはどうか? コンセプトはブレてないか? と至急見直さなくてはいけないと考えています。

 

3等立地からスタートしたことが今の成功へつながっている

「3等立地でお客さんを並ばせることができれば、必ずうまくいくんじゃないか?」という思いが強かった。だから3等立地で成功したことは自信にもなりました。1等立地と3等立地はスピードの違いであって、いい店ならどこでもお客さんは入るんです。1等立地は一見さん、3等立地は目的型のお客さんが来る。よく「3等立地だとダメですか?」と開業を志している方から質問されるんですけど、全然そんなことはない。もし初めての開業なら3等立地からやるべきだとも思っています。むしろ初めての開業で1等立地からスタートすると、最初は人が入るので勘違いすることもある。3等立地で自分たちの現状をしっかり知ることが大事なんです」。

 

人の意識は環境で変われるスタッフには自主性を持たせることから

スタッフ教育には時間とお金をかけています。うちのスタッフはアルバイトも入れて35名。いい人材とかダメな人材とか言いますが、すべては教育。人はいい環境の一員となった瞬間から意識が変わるんです。「ナチュラさんのスタッフはいいよね」といって頂くんですけど、最初からそうだったわけじゃない。僕の方針は「まず自分でやってみろ」と一任します。声を出さないとお客さんは来てくれない、笑顔のないところに人は集まってこない。そういうことを自ら動いて体感してもらう。失敗する場所をつくってあげることも僕の仕事ですから。飲食店は需要と供給のバランスだと思っています。需要がないところに一生懸命つくっても、それは迷惑。僕らの仕事は人の期待に応えて、お客さんを笑顔にすること。頑張れば人に感謝される仕事なんです。

 

昨年の自分たちに勝ったか?「売り上げ」より「客数」が大事

よく「これからのビジョンは?」と聞かれるんですけど、10億円稼ぐことより、街に必要とされる店、お客さんに喜ばれる店、愛される店が目的。それはスタートから変わらないコンセプトです。だから、売り上げより客数が大事。客数が減れば、僕らの力が足りないというシンプルな考え方です。2014春に約100坪のイタリアン、バー、炉端焼き、ビアガーデン、鮨の集合型店舗をオープンする予定です。この街に足りないものは以外と多い。だからチャレンジできることは幸せ。この街にあったらいいなと思うものを僕らがつくっていきたいのです。

 

 

株式会社 ナチュラ

 

名称株式会社 ナチュラ
TEL044-733-7772
営業時間17:00~25:00(Last Order 24:00)
定休日月曜
URLhttp://natura-group.co.jp
住所神奈川県川崎市中原区 新丸子町738小泉ビル1F
店内面積13.3坪
席数22席 立ち飲み4席分
客単価 3,500円

 

 

 

 

 

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